燃油サーチャージ
2023月4月1日から5月31日発券分の燃油サーチャージが若干ながら下がりました。
2023月6月1日から7月31日発券分は、さらに!燃油サーチャージが下がりました。
燃油サーチャージが爆上がりしてた頃に比べれば、確かに燃油サーチャージの価格はだいぶ下がりました。
ですが、まだ高い気もする。笑 と言うか、まだ高い!
そもそも、燃油サーチャージって何なのか、いつから導入されたのか…。
燃油サーチャージの正式名称
燃油特別付加運賃。
燃油サーチャージの歴史
なぜ、燃油価格の負担を旅客がすることになったのか。
1990年に、湾岸戦争が勃発。
この戦争以降、中東の政情不安から原油価格が高騰しました。
航空会社は燃油高騰に困り果て、この措置として1997年(平成9年)にIATA(国際航空運送協会)に原油価格高騰のコストを旅客に負担して貰う制度を申請。
その後、IATA(国際航空運送協会)が燃油サーチャージ制度の認可をした。
まず、2001年に貨物で、その後 2005年には旅客に燃油サーチャージの設定が開始された。
それが、燃油サーチャージの始まりです。
国際線航空券購入
国際線航空券を購入する際、運賃+空港使用料+各種税金が必要となります。
日本ではJAL、ANA、スカイマークも対象です。
燃油サーチャージを課金しない航空会社もあります。
LCCは燃油サーチャージを加算しないことが多いです。(Peach、ZIPAIRなど)
燃油サーチャージ(正式名称:燃油特別付加運賃)、あるいは「サーチャージ」と呼ばれる費用が、上記の運賃+空港使用料+各種税金に加算して支払う必要があります。
原油価格が高騰すれば、燃油サーチャージも連動して高騰する、さらに円高も影響を受けるため、海外旅行に行こう!!と思いたち、航空券の価格を調べたら航空券本体の価格は安いのに、燃油サーチャージが鬼高いと航空券の購入価格は高くなるわけです。
燃油サーチャージがないころ、香港に往復2万円で行けたのが燃油サーチャージが高いと4万にも5万にもなってしまい、購買意欲がダダ下がりします・・・。
燃油サーチャージの金額設定の仕組み
燃油サーチャージは、燃油価格に応じて各航空会社が価格を設定し、その価格表を基に航空券に加算する仕組みになっています。
航空燃油(シンガポールケロシン)の各日価格の2カ月平均に、同じ2カ月の為替レート平均で円換算した価格によって適用額を確定させ、2カ月間は燃油サーチャージの価格が固定されます。
原油価格が下がった場合は、燃油サーチャージは当然0円となります。
シンガポールケロシン市場価格(平均)× 米ドル円の為替レート(平均)
=航空燃料価格(燃油サーチャージ)
最安値となる2カ月間の平均燃油価格が1バレル当たり6,000円を下回った場合、「燃油特別付加運賃」が適用されません。
要するに、燃油サーチャージは「0円」になります。
こんな日が、また来るのでしょうか・・・。
IATA-HP Jet Fuel Price Monitor
燃油サーチャージのゾーン区分
燃油サーチャージは、15段階に区分されています。
№ | ZONE | 航空燃料価格 |
1 | ゾーン A | 6,000円以上 7,000円未満 |
2 | ゾーン B | 7,000円以上 8,000円未満 |
3 | ゾーン C | 8,000円以上 9,000円未満 |
4 | ゾーン D | 9,000円以上 10,000円未満 |
5 | ゾーン E | 10,000円以上 11,000円未満 |
6 | ゾーン F | 11,000円以上 12,000円未満 |
7 | ゾーン G | 12,000円以上 13,000円未満 |
8 | ゾーン H | 13,000円以上 14,000円未満 |
9 | ゾーン I | 14,000円以上 15,000円未満 |
10 | ゾーン J | 15,000円以上 16,000円未満 |
11 | ゾーン K | 16,000円以上 17,000円未満 |
12 | ゾーン L | 17,000円以上 18,000円未満 |
13 | ゾーン M | 18,000円以上 19,000円未満 |
14 | ゾーン N | 19,000円以上 20,000円未満 |
15 | ゾーン O | 20,000円以上 21,000円未満 |
航空会社によって、ゾーンAからゾーンOまでの15段階に設定しています。
航空燃料価格によって該当するゾーンが定まり、あとは行先に応じて燃油サーチャージの価格が決定されます。
ANAで韓国に行くと、燃油サーチャージは3,000円。(片道)
ANAで欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニアに行くと29,000円。(片道)
ANAでドイツに行くと、往復で58,000円の燃油サーチャージが必要です。
その他、航空券本体価格+空港使用料+各種税金が必要です。
試しに、ANAのHPで羽田 ⇔ フランクフルト(往復)6/7(水) ~6/14(水)を旅程で金額を確認してみました。
合計 271,290円 (航空券+空港使用料+各種税金+燃油サーチャージ)
これは、ホテル代、飲食代、お小遣いなど一切含まれていません。
1週間、ドイツに遊びに行こうと思ったら、40~50万は必要でしょうね・・・。
特典優待券(マイルを使用)
特典優待券で航空券を発券すると、提携していたり、同じ航空会社連盟(スターアライアンス、ワンワールド、スカイチーム)だったら燃油サーチャージが不要になるので、行先に応じて他社運航で発券するとお得感が増します。
- ANAマイル(スターアライアンス)
- シンガポール航空
- エアカナダ
- ニュージーランド航空
- ユナイテッド航空(日本発着以外)
- エチオピア航空
- JALマイル(ワンワールド)
- アメリカン航空
- アラスカ航空
- エールフランス(提携航空会社)
- 大韓航空(提携航空会社)
- ハワイアン航空(提携航空会社)
- カタール航空
- マレーシア航空
まとめ
燃油サーチャージがない時代に帰りたいですよね。
今は、コロナ禍が終わりを告げ、旅行が活発なので需要に供給が追い付いていないので航空券が割高になっているはずです。
航空業界は3年間、じーーーーっと我慢していたでしょうから早急な旅客回復を望んでいるかと思います。
思うのですが、ニュースで報じられている通り、働く人たちが退社してしまったことで空港を支えていた労働者も旅客と同じように戻ってこないと2019年のコロナ禍前には簡単には戻れないのでしょう。
早く2019年以前のように需要と供給のバランスが戻り、安く海外旅行に行きたいものです。
では、また!